海外の学会で、感染してしまったら

投稿者 小宮 怜奈 (沖縄科学技術大学院大学)

今年度、編集幹事を務めておりますOISTの小宮怜奈と申します。編集よりも執筆の方が好きでして、下記の情報がこれから海外の国際学会に参加する研究者のお力になればと思い執筆しました。

6月20日より、植物の生殖の国際学会 26th ICSPRに参加しました。初日に口頭発表を終え、帰国予定前日、6月23日にCOVID-19のPCRテストを受けたところ、陽性になりました。発熱しているし、何をすれば良いのか、どうなるのか、不安の中、下記の流れで進めました。

 

1) 保険会社に連絡

コロナ禍の海外出張は、海外旅行総合保険に加入すること” をお勧めします。

私は、三井住友海上ライン 海外旅行総合保険に、出張の期間中加入しました。海外から対応可能な三井住友海上ラインの番号に電話すると、担当者の方より、海外旅行総合保険の治療・救援費用の項目で、病院受診により、延泊の宿泊費と帰りの航空券の変更費用の支払いが可能と、教えていただきました (まだ、確定ではありません)。その後、ヨーロッパのコーディネーターにつないでくださり、オンライン受診を手配してくださいました。

 

2) ホテルの予約

Booking.comのアプリを使用して、ホテルの延泊手続きを行いました。

 

3) 航空券の変更 or 新規購入

隔離終了後も偽陽性がでるとのこと、、、有症状の中で、飛行機の日程をいつに変更すべきかの判断は困難でした。航空券購入時に、陽性になる可能性があること、また、隔離終了後にも偽陽性になることを考慮し、手数料が無料 or 安価に変更できる航空会社や航空券を確認しておくことをおすすめします。

 

4) 隔離終了後に偽陽性が続いたら (一番の曲者)?

偽陽性の対応について、チェコの日本大使館に確認したところ、下記の5点を、領事館メールアドレスに送付すれば、日本と連絡をとって、領事レターを発行し入国可能とのことでした。

4-a 隔離終了後にPCRの陽性証明書

4-b 病院での回復証明書

4-c 病院での回復証明をもらった後、再度PCR検査をして、陽性証明書 (ここで陰性になれば、問題なく帰国)

4-d 変更後の帰国便の情報

4-e パスポートの情報など

国によっては、領事レターの発行には通常3~7日程度必要なようで、チェコでは、平日4日間ほどとのことでした。チェコの隔離期間は7日間なので、隔離終了後、4-aからはじめておくのも良いですね。とおっしゃていました。

 

5) アンチゲンテスト

イタリアで隔離経験のあるOISTの同僚がすぐに連絡をくれました。薬局にいってアンチゲンテスト (プラハでは約700円ほど) を数個購入し、2, 3日に一度調べて、陰性になってから、PCR検査に行った方が良いとのこと、また、アンチゲンテストで陰性でも、PCRで偽陽性となることもあると教えてくれました。偽陽性が続く際には、4)の滞在先の領事館に問い合わせ、偽陽性の際の入国手続きの方法など情報を入手することをお勧めします。5日目、8日目、9日目にアンチゲンテストを行なったところ、日に日にバンドが薄れていきました 。完全にアンチゲンテストが陰性になったところで、PCR検査を受けました。プラハではPCR検査費が約9000円と高額で、数回分のPCR検査となると出費もかさむので、アンチゲンテストをベースに、最後にPCRのコースもおすすめです。

 

写真1: 5日目、8日目、9日目と日に日にバンドが薄まっていく.

 

6) オンライン受診と症状

陽性を確認してから4日目に、電話で医療機関を受診することができました。ビタミンCやEを摂取すること、鼻水や頭痛の症状に効く薬の名前を教えてくれました。ホテル近くの薬局でビタミン剤と鼻スプレーを購入することができました。3回ワクチン接種後の私の症状は、インフルエンザ感染時の症状に似ておりインフルエンザほどはひどくはありませんでした。はじめに咳がでて、その後、節々が痛みはじめ、発熱し倦怠感が2日続きました。隔離中盤は、鼻水と頭痛の症状、隔離後半は軽い咳症状に変化しました。

 

 

写真2: ビタミンC (左)と鼻スプレー (右) . 日本には同成分の鼻スプレーをみつけることはできませんでしたが、ドイツにも似ている鼻薬をみつけたのでヨーロッパでは比較的手にはいりやすい?!

 

7) 情報共有と家族

家族からの情報が、一番心の支えとなりました。発熱で頭がボーっとし判断が鈍っている時に、的確に情報をくれ、方向性がみえてくると精神的に落ち着くことができました。今回の学会参加により、私以外にも数人の日本人が陽性となりました。そのうちのお一人も、日本にいるご家族と連携して航空券を変更したとのことでした。家族強し、そして、心からの感謝です。また、植物の新種誕生の原理の領域代表の東山さんが、陽性者同士、情報を共有した方が良いと、領域のslackに招待してくださり、連絡をみんなで取り合うことができたことも、心強かったです。

 

8) 最後に (言い訳?!)

26th ICSPRに参加した約300人は、ほぼノーマスクでした。参加人数の割に会場はせまく、初日に、直感であぶないと感じ、不織布マスクをなるべくつけるように心がけました。初日に口頭発表が無事終わり、ウェルカムドリンクで、海外の方々が声がけや質問をしてくださいました。立食でしたので、急に声をかけられると、マスクをつけることができずに対応しました。質問の唾シャワーを浴びながら、初日に感染したのではないかと思っています。あの近接した状況で不織布マスクがどの程度力を発揮するのかはわかりませんし、今回、参加した日本人の中で、有症状や帰国後に感染が判明した方も含めると半数近くは感染しているので、海外の学会に参加する場合、感染を回避することは、難しいと思っていたほうが良いかもしれません 。お互いが不織布マスクをして、意識して距離をとっている日本だから不織布マスクに効力があることを学びました。ですので、感染対策をしっかりと行っている日本の学会では、対面でも大丈夫だと個人的に思っています。 海外の学会に参加し、ポスターセッション、コーヒーブレーク、ランチ&ディナーに参加せず、N95マスクをつけて口頭発表セッションにのみ参加するというのでは、オンライン参加と変わりはないので。。。なかなか難しい判断になります。

回避案としては、(A) 運営側に、感染すると自国に帰れない国の参加者もいるので、感染対策をしっかり行ってもらう(アジア諸国では感染対策はできても、今の欧米では難しいように感じます)(B) 日本の水際対策が緩むまでは海外出張は我慢する  (C) 隔離期間も含めてでも行きたいという気持ちがあれば参加する?! といった心構えが必要なのかもしれません。

最後に、もう一度、“コロナ禍の海外出張は、海外旅行総合保険に加入すること” 、そして、“陽性になった際の保険内容の事前確認”  をお勧めします。

さて、私は、どうなったかというと、、、、一番の気がかりであったPCR検査で、9日目に陰性となり、11日目に日本に向けてチェコ共和国 (プラハ) を出国しました。

 

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